昨晩、懐かしい人から連絡が入った。その方と話すのは10年ぶりだった。相手は整体師、僕が30代半ばだった頃、その方の元で首の治療をかねて1年半ほどマッサージを学んでいた。
あの頃の僕はうつ病による不眠症に悩まされていて、会社を休職しながら手に職をつけようとしていた、なにか変えられるかも知れない…そんな想いに突き動かされていた。
だけど整体師との関係は長くは続かなかった…ある事がキッカケで、僕は逃げるようにその場所から去り、復職する事を選んだ。
しがらみまみれだった僕は結局、正社員という安定を求めた。家族を安心させるため、自分の生活を維持するため、うつ病と不眠症を抱えながら、社会活動の旅に出た。
それからは我慢と抑圧の毎日で、まさに地獄だった。会社に戻っても環境は何ひとつ変えられず、3年…5年が経過し、僕は病巣を育て、不眠症は悪化し睡眠障害になってしまった。
眠りの機能を失っても、あの整体師の元で励んだ時間は忘れなかった。その整体師からの連絡を受け、感慨深いものがあった。
また、マッサージをやらないか?という誘いの返事をもらった。誰かの為に仕事がしたい!という想いは捨てた。自己犠牲の精神は偽善でしかなく、長くは続かない。
それが、嬉しさ、楽しさ、気持ちよさ、誇らしさ、という感情に繋がるのであれば、それは人生においてとても意味のある行動になるであろう。まずはやってみなくちゃわかるまい。