暑い時期といえば怪談話であります。
少年時代にあなたの知らない世界という怖いテレビ番組をよく見ていました。
夏は怪談で涼しくなりたい!
ということで、
僕が不思議な体験をしたときのことを話していきたいと思います。
あれは3年前の5月、
あの頃の僕は、週末になると友人と名古屋のCLUBによく遊びに出かけていました。
あれはとある週末でした、CLUBで友人とサタデーナイトを楽しんだあと、
物足りなさを感じた僕たちは、
深夜1時頃、クルマでとある海岸を目指し、ドライブを楽しんでいました。
すると突然、連れのカーナビの地図がぐるぐると、不自然に回りはじめました。
「故障?でもこれ、明らかに誰かが操作しているような不自然な動きしてないか?」
車内で異様な気配を感じながら、カーナビは壊れたままで、
僕たちは海岸へ到着しました。
そこは廃墟が建ち並び昼間でも異様な雰囲気のするビーチでした。
そこで連れと海を見ながら怖い話しをしていると、海の真ん中に
人影が立って、こちらを見ていました。その時は幽霊とかまったく信じていなかったので
目の錯覚だろと思い、話をつづけていました、すると、突然!
友人がなにかに気づき、しきりに後ろのほうを気にするではありませんか!?
「あれ?ひとがいる?なんか変だぞ、ひとりでこっち見てる。やばい、こっちにきてる」
友人はその何者かの気配に気づくき、ぼくが後ろを振り向いたとき、
すぐそこまで迫っていました。
その人影は、まるで鉛筆で書いたような線が歪んだような姿でした。
砂浜をスーッと滑るように、ゆらゆらと海岸に向かっていました。
コートを着て、ボンタンのようなズボンを履いて、明らかに人間が砂浜を歩くスピードではありませんでした。
僕らは自然を装いながら、横目で恐る恐るその者の動きを追っていました、
声をかければ振り向くであろう距離までくると、段差をスーッと通り過ぎ、
コートを着た黒い影は、まるで清々しく解き放たれたかのように
夜の暗い海の中でへと消えていきました、なぜこんな深夜に海に入っていくんだろう?
しかも安心したかのように、自殺か?止めなくては、と、思ったとき、
友人が異変に気づき、
「やばい、こっちへ戻ってくる
逃げましょう、はやく!」
と言い、僕は正気に戻り、
2人で一目散にクルマに乗り込み
足早にその場を去りました。
今でもあの不気味な人影の、海に入っていく後ろ姿を忘れることはありません。
黒い人影は人の怨念、 生霊と言われたりします、思い当たる節もありました。
こわい話をしていた2人の脳が作った幻覚か幻想かもしれません。
でもあれは確かに、
次元の違うものが姿を現した瞬間でした。
本当に怖かったです。
実はあの時、海を見ながら友人と黒い影について話していたのです。
まさか現実に、黒い影が、僕らの元にくることになんて思わなかったです。
黒い影の話しが、黒い影を呼び寄せたのか。
ただそこには言わずと知れた廃墟、何が起こってもおかしくはない場所です。
今でもあれは一体?なんだったのか?
考えることがあります。
後に友人が言うには、その影は明らかに、僕の背後に向かって歩いていたといいいます。
霊的なものをまったく信じなくなった僕にとってはとても不思議な体験でした。