屋敷内にある倉庫の2階に一匹の猫が忍び込み、段ボール内で子猫を3匹産んでいた。
箱をそっと除いてみると、親猫がこちらを見て威嚇していた。
親猫は段ボールの下にいる三匹の子猫を護るために必死だった。
獣医さん曰く、一ヶ月はそっとしておいた方が良いということ。
しばらく様子を見て、市の環境課へ相談すれば保護してもらえるようだ。
犬は倉庫から出て行く親猫を発見して落ち着かない様子だった。
餌になる虫を探しに子猫の元を離れる親猫を見たら、強い生命力を感じた。
猫は可愛い。そっとしておいてやりたいけど、つい、追ってしまう。
人の脳は可愛いものを見るとオキシトシンという物質が出て、癒しホルモンが得られる。
人もは「育てる」という経験から多くのことを學び、喜びを得て行く。
育てる対象は人に限らず、植物だったり、動物であったりする。
愛着のあるものを育てる事でストレスは軽減されるし、生きがいを感じられる。
「育てる」という経験から、他愛の精神が生まれ、世界はどんどん良くなって行く。
はず、なのだ…けど、この世は子を1人育てるのに沢山のお金がかかる。
養育費、税金、人はお金に縛られ、育てるという喜びを忘れてしまう。
一人で子を抱え、毎日、時間に追われ、ストレスを溜め込んで行く母親もいる。
そうして間違った「育てかた」をしてしまったり、育児を放棄してしまう親もいる。
決して親がわるい訳では無い。制約条件が多すぎるのだ。
親子の問題はとても根が深く、親子関係で苦しむ人は世界中にたくさんいる。
どんな環境で育つのか、というところがとても重要になってくる。
環境ってものすごく大事。環境が全てと言っても過言ではない。
植物も、動物も、人も、「育て方より育ち方」なのだろう。
この世界は捨てたもんじゃない。なんて、すべての人が言えるだろうか…
猫一匹、育てるのも大変な世界。だからこそ、気持ちにゆとりを持って暮らしたい。