”私の人生の大半は睡眠薬と共にありました”
家庭での抑圧と、工場で2交代制勤務を20年続けたストレスが重なり、重度の睡眠障害に苦しんだ私の半生を経験談としてお伝えします。
私の脳は常に緊張しており、眠気を全く感じられず入眠が難しい状態にありました。そのためベンゾジアゼピン受容体作動薬(通称ベンゾ)を長期にわたり服用し、ベンゾ依存症に苦しんできました。
動悸、頭痛、吐き気、回転性のめまい、心因性頻尿、過食、無気力、などの副作用が現れ、病院でCT・MRI・血液検査などの検査しても異常が見つからず、症状の原因が分からない焦りからベンゾを増量し、薬が手放せない状況になりました。
何度も断薬を試みましたが失敗し、諦めていたところ、2023年の春に転機が訪れました。この年の冬に体調不良で入院したのをキッカケに生活習慣を見直すことができ、勢いで減薬に踏み切る事ができたのです。
体調が整いつつある中でも、減薬は容易ではありませんでした。2023年の夏には様々な離脱症状が現れました。特に脚がムズムズしてじっと座ってられない「アカシジア」という症状は、本当に苦しかったです。
夜は暑さで眠れず、脚を掻きむしり、首を絞め、強い尿意が続き、何度もトイレに行く状態でした‥まさに地獄、不快の極み!!あの夏は本当に耐え難いものでした。とにかく毎日、朝の走り込みと軽い筋トレを習慣化して続けました。
食事は1日2食とし、プロテインと玄米菜食・天然塩を積極的に摂取しました。しばらく好転反応で落ち着かない日もありましたが、次第に症状は安定し、2023年の秋ごろ、ついに、ベンゾを手放すことに成功しました!!!!!
成功と言っても、眠れるようになったわけではありません。しかし、具合の悪い不眠は解消されたと思います。断薬成功の大きな要因は、減薬をゆっくり進めた事と朝のスロージョギングでした。あらゆる書籍を読み、ベンゾ依存から脱した人たちの体験談を参考にして導き出せした答えは「脳を鍛えて、体の毒を出す」こと。腸と脳。つまり運動と排泄が最も大事であるという考えに至りました。
私がした行動
⚫︎20分〜30分のスロージョギング・ウォーキング(1日約8千〜1万歩)
⚫︎天然塩・玄米菜食・タンパク質・プロテインによるナイアシンの摂取
⚫︎少ない量を噛みしめ味わって食べる事【より少ない事はより豊かな事】
*体の声を聞き腸内環境を整えて汗と便でデトックスする事を習慣とした
ベンゾ依存は多くの人が抱えている問題です。向精神薬は誰もが手軽に手に入ってしまいそれなりに効果を感じられるものです。私は睡眠薬を使用して眠れるなら服用しても問題ないと思っています。眠れない苦しみは計り知れませんから。
しかし、長期で鎮静剤を服用した場合のリスクは大きいです⚠️私のように生活に支障をきたす状態になってしまった場合は、まず症状を医師に伝え、新薬に変更する措置をとるなど、自分に合った減薬方法を探ってみて下さい。
医師に伝えづらい場合は、相談するのではなく「宣言」するように伝えてみてはどうでしょう?なぜなら、医師や薬剤師は患者に処方している薬を自ら飲んでおらず、教科書通りの診察をされるので、良い回答や解決策は得られないからです。
中には患者と向き合い、減薬・断薬に理解のある医師もいると思います。ですが、最終的にそれを行うのは患者本人の意思であるため、頼れるのは己自身。全部、自己責任なので、自分に期待するしかありません。
減薬は精神的負担が軽くなったタイミングの見極めが重要です。精神的負担の主な原因は人間関係です。会社での期待と重圧、配偶者、親ブロックなど‥そのような環境を自ら変えるのか、変わるのを待つかはあなた次第。
私は医師に「”僕は自然に眠れるようになりたい”と思えるようになったので睡眠薬を減薬しようと思います」と伝えました。長期で服用してきた薬をいきなり断薬するのは現実的ではありません。
減薬中は、人(医師・薬剤師)を信用できず、苛々感、先行き不安、葛藤、怒り、が生じやすく、精神状態が不安定になりますが、ダメな自分を受け入れて、自分を信じ切る事が何より大事です。
資本主義社会を恨んで良い。
多剤大量処方がまかり通る医療を恨んで良い。
誰かを責めて良い。
誰かのせいにする自分を責めなくて良い。
誰かを許せない自分を許してあげて良い。
許せなくて良いい、許さなくても良いんです。
ですが、「精神医療を利用した自分の弱さ」も自覚して下さい。人間は総じて弱い生き物です。弱さを受け入れ、己を知って、他者を受容し、器を磨く。
弱さは人を強くするのだと思います。
苦しみ、怒り、葛藤、それさえいつか忘れる時が来るのだから、ありのままの感情を引き連れて、私は今この瞬間を生きようと思います。人生は魂の器を磨くゲームだ。全ては必要として起きている。あなたはそのままで大丈夫!以上。
〜自由か死ぬか〜
孤独な闘いの記録
2011〜2023
追記
- ベンゾは天使の薬であり悪魔のクスリ
- ベンゾの使用は最低でも2週間
- 今はベンゾに変わる新薬がある
- 患者の目を見て話す医者とか関われ
- 何を話すかではなく何を話さないか
- 何を食べるかではなく何を食べないか
- 減薬は精神的負荷が和らいだタイミングで始めよ
- 焦りは禁物
◉睡眠薬中断方法
- 隔日法(かくじつほう) 時々服薬を休む方法
- 置換法(ちかんほう) 依存性の高い薬から低い薬へ切り替える方法
- 漸減法(ぜんげんほう) 服用量を徐々に減ら方法
私が試したのは漸減法でした。
『全てを疑い全てに感謝』